鎌倉文化の特色と主な作品

 鎌倉時代の初めは,文化の中心は公家(くげ)(そう)でした。しかし,武士や庶民(しょみん)の成長とともに,しだいに素朴(そぼく)で力強い雰囲気(ふんいき)を持つ文化が育っていきました。また僧や商人が中国と行き来したり,モンゴル民族が中国へ侵入(しんにゅう)したため,中国から僧などが(のが)れてきたことで,(そう)(げん)の文化が日本にもたらされ,大きな影響(えいきょう)を与えました。

 新しい文化は,まず彫刻(ちょうこく)の分野にあらわれました。仏師(ぶっし)運慶(うんけい)らが,武士の気風にあった力強い作品をつくりました。絵画では()巻物(まきもの)が数多くつくられ,写実的な似絵(にせえ)も生まれました。建築ではそれまでの()(よう)に加えて,中国の様式も取り入れた寺などがつくられました。