拡大するモンゴル帝国(ていこく) 13世紀は「モンゴルの世紀」といわれ,ユーラシア大陸の東西にまたがる大帝国のもと,東西交流が活発に行われました。

 モンゴル帝国の始祖(しそ)チンギス=ハンは1162年ころ生まれました。早くに父を亡くし,苦労をしましたが,13世紀初めに,遊牧(ゆうぼく)民族のモンゴル人を統一して,モンゴル帝国を建国しました。つぎつぎに周辺の地域を征服(せいふく)しましたが,遠征(えんせい)からの帰途,1227年に病死しました。けれどもモンゴル帝国は,13世紀後半にはアジアから東ヨーロッパにかけての広大な国に発展し,東西交流の上で,大きな役割(やくわり)をはたしました。

 チンギス=ハンの孫,第5代皇帝(こうてい)フビライは,中国の農耕地帯を重要視していたので,都をそれまでのカラコルムから大都(だいと)(現在の北京(ペキン))へと移し,国号を(げん)とあらため,1279年に(そう)をほろぼして,中国を統一しました。フビライのとき元の領土は最大になり,モンゴル高原・中国のほかにチベット・朝鮮を属国(ぞっこく)とし,さらに日本やベトナム,ミャンマーなどにも遠征軍を送りました。