鎌倉時代文学の代表作
 

 武士が活躍(かつやく)するようになると,武士を主人公として,その生活や合戦(かっせん)のようすなどを力強い文章で書いた軍記物(ぐんきもの)が登場しました。『平家物語(へいけものがたり)』は軍記物の代表作です。琵琶法師(びわほうし)によって,広く語られ,文字を読めない人々にも親しまれました。

 また,社会の変化のなかで,人生や世の中を見つめた随筆(ずいひつ)兼好法師(けんこうほうし)の『徒然草(つれづれぐさ)』や鴨長明(かものちょうめい)の『方丈記(ほうじょうき)』も書かれました。和歌も前の時代に引き続きさかんで,藤原定家(ふじわらのさだいえ)らによる『新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)』や源実朝(みなもとのさねとも)の『金槐(きんかい)和歌集』などが編集されました。『百人一首』も,この時代に成立しました。

 また北条実時(ほうじょうさねとき)は,鎌倉の外港(がいこう)金沢(かねさわ)(神奈川県)に,国内外の書物を集めた金沢文庫を設立しました。