琵琶法師(びわほうし) 琵琶法師は,犬にほえられ,(つえ)を振り上げています。琵琶は肩から(ひも)でつりさげ,高下駄(たかげた)をはいています。左側は,従者(じゅうしゃ)の子どもです(『慕帰絵詞』)。

 琵琶法師は,琵琶を弾きながら叙事詩(じょじし)を語った,(そう)の姿をした盲目(もうもく)芸人(げいにん)です。平安時代から活躍していましたが,鎌倉時代になり,(ぐん)()(もの)が生まれると,『平家(へいけ)物語(ものがたり)』を語って,各地をわたり歩きました。庶民(しょみん)にわかりやすく,好まれるように語り()がれ,今の形の『平家物語』が残りました。『平家物語』に曲節(きょくせつ)をつけたものを,平曲(へいきょく)といいます。