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フビライ=ハン フビライ(1215~1294年)はチンギス=ハンの孫で,第5代皇帝です。都を大都(だいと)(現在の北京(ぺきん))に(うつ)し,国名を中国風に(げん)と改めました。中国を統一し,高麗(こうらい)・ビルマ(ミャンマー)などをしたがえ,広大な帝国をつくりあげました。

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フビライの国書(こくしょ) フビライは高麗(こうらい)属国(ぞっこく)()をはたしたので,その矛先(ほこさき)を日本へ向けました。この国書では国交(こっこう)服属(ふくぞく))を求めながら,従わないときは武力をもって侵攻(しんこう)することが明記(めいき)されています。

 この資料は,(げん)のフビライが,東方にただ1国だけ独立を(たも)っていた日本を従えようとして,高麗(こうらい)使者(ししゃ)に持たせた国書です。執権(しっけん)北条時宗(ほうじょうときむね)は情報不足で(げん)の勢力を知らず,諸国の守護(しゅご)に注意せよと通達したのみでした。また,この国書にある「日本国王」はだれをさすのか。だれが最高権力者なのか,天皇か,将軍か,執権(しっけん)か。その解釈をめぐっても,意見は分かれたままでした。そして,時宗はこの国書をしりぞけたため,元は武力で日本を従えようとしました。


高麗(こうらい)

 10世紀から朝鮮半島を支配した王朝(おうちょう)で,13世紀には(げん)の支配をうけ,1392年にほろびました。