(げん)軍と戦う武士 (げん)軍に馬を()られる九州肥後(ひご)(熊本県)の武士,竹崎季長(すえなが)のようすです。元軍は集団戦法をとり,次々に矢を()って,一騎(いっき)()ちをしかける日本の武士を苦しめました(『蒙古襲来(もうこしゅうらい)絵詞(えことば)』)。

 元軍は,短い弓をすばやく()って,「てつはう」という火薬(かやく)を利用した武器を使った集団戦法をとったので,馬に乗って一騎打(いっきう)ちで戦おうとする日本の武士を苦しめました。元軍はまた,戦いの合図に太鼓(たいこ)銅鑼(どら)を使い,「てつはう」も破裂(はれつ)させたので,日本軍の馬はそれらの音に驚いてたちすくみ,兵士も気勢(きせい)をそがれてしまったといいます。文永(ぶんえい)(えき)博多(はかた)(福岡県)に上陸した元軍は,1日で日本軍を蹴散(けち)らしました。

 この絵は,『蒙古(もうこ)襲来(しゅうらい)絵詞(えことば)』という絵巻物(えまきもの)で,戦いに参加していた九州肥後(ひご)(熊本県)の武士竹崎季長(すえなが)が自分の働きを絵師(えし)にかかせたものといわれています。