鎌倉幕府のしくみ 幕府の支配機構(きこう)は,それまでと比べて簡素(かんそ)実際(じっさい)的なものでした。

 幕府の政治機関は,はじめは(みなもとの)頼朝(よりとも)一族(いちぞく)(おさ)めるためのものでしたが,しだいに幕府の正式な機関となっていきました。将軍と将軍を補佐(ほさ)する執権(しっけん)を中心に,政所(まんどころ)問注所(もんちゅうじょ)侍所(さむらいどころ)があり,地方には守護(しゅご)地頭(じとう)が置かれました。また京都,九州,奥州(おうしゅう)には御家人(ごけにん)の統制のため,京都守護,鎮西(ちんぜい)奉行(ぶぎょう),奥州奉行が置かれました。守護と地頭の設置(せっち)は,鎌倉幕府の全国支配の(かなめ)となりました。


政所(まんどころ)

 鎌倉幕府の財政(ざいせい)と一般の政治を行う役所です。初めは公文所(くもんじょ)と呼ばれていました。その長官は別当(べっとう)です。


問注所(もんちゅうじょ)

 裁判(さいばん)訴訟(そしょう)を処理する鎌倉幕府の役所です。その長官は執事(しつじ)と呼ばれました。


侍所(さむらいどころ)

 御家人(ごけにん)の統制,軍事や警察の役割をはたした鎌倉幕府の役所です。その長官は別当(べっとう)と呼ばれました。


守護(しゅご)

 1185年に国ごとに設置されました。有力御家人(ごけにん)(にん)じられ,諸国の軍事・警察などの仕事にあたりました。


地頭(じとう)

 1185年に諸国の公領や荘園(しょうえん)に設置され,土地管理・年貢徴収(ねんぐちょうしゅう)治安維持(ちあんいじ)などにあたりました。