永仁の徳政令 御家人の救済のために出された徳政令でしたが，効果はあがりませんでした。
永仁の徳政令 御家人の救済のために出された徳政令でしたが，効果はあがりませんでした。
鎌倉時代，御家人は領地を子に分割して相続させていました。そのため代を重ねるごとに，領地は小さくなっていきました。また多大な戦費の負担と犠牲をはらった元寇では，勝利はしたものの，領地はもらえず，恩賞も不十分であったため，御家人の生活はますます苦しくなりました。さらに，商工業の発達につれ，貨幣を使うことが多くなり，そのため所領を売ったり，質に入れたりする者が増えていました。
御家人のこの窮状を救うために，幕府は，1297年，徳政令を出して，手ばなした所領を御家人にただで取りもどさせました。また，御家人が関係する金銭に関する訴訟も受けつけないこととしました。
けれども効果はあがらず，没落する御家人が多く出ました。世の中の不安をしずめようと，幕府は専制政治を強化しましたが，かえって人々の反発をまねきました。
御家人
鎌倉時代，将軍と主従関係を結んだ武士のことです。